本 音
 
 
前編
 
 
「―なぁ、白ー。凛さんって、どんな人?」
「え、凛くん?えっとねぇ〜…なんて言えばいいんだろ。」
少し困ったように、白が笑う。
 
「突然どうしたの?」
「んー、なんとなく。あんまり話したことないからさ。」
「あ、言われてみれば見たことないかも。」
笑いながら言われた白の言葉に、だろ?と軽く笑う。
 
白は、2個上のちょっと先輩。
あんまり口数は多くない方なんだけど、俺とはけっこう話してくれる。
それって、けっこう嬉しかったりとか。
 
 
「なーんて言うかさ、あまり好かれてはいないみたい。」
「ん〜…それはたぶん、朱が慧くんと仲いいからじゃない?」
軽く呟かれた言葉に、少し考える。
 
「…え、慧?凛さんって慧のコト嫌いなの?」
「あ、そっか。朱は知らないもんね。あの2人、微妙ーに色々あってね。」
言って、白が軽く笑う。
 
「…聞いても、いいこと?」
「うん、別に秘密でもないしね。気まずくなるからみんな触れないだけ。」
2人とも、素直じゃないでしょ?って言って、白が笑う。
確かに、と肯定して、同じように笑った。
 
 
「あれはー…半年くらい前かな?朱が入ってくるちょっと前に慧くんが入ったのね。」
「うん、それはなんとなく知ってる。」
軽く頷きながら、答える。
 
「で、慧くんって初めNo.3に入ったんだよね。」
「…え、いきなり?」
驚く俺に、白が頷く。
 
 
「元々、慧くんって他の組織にいたのね。」
「へー、初耳。」
「けっこう大きいところみたい。んで、慧くんはそこのNo.2だったんだって。
「へー、すごいんだ。」
「そう、すごいんだよ。経験的に、3だったの。」
クスクスと、白が笑う。
 

「その少し前にNo.3だった…零さんって人が亡くなっててね。」
「…女の人?」
聞くと、白が軽く頷く。
 
 
「―…優しい、人だったよ。」
 
軽く俯いて、白が小さく落とすように微笑む。
何も言えなくて、そっか、とだけ小さく呟いた。
 
 
「―で、普通だったらNo.4だった凛くんが入るはずだったんだよね。」
「うんうん。」
「だけど、そこに慧くんが現れたわけ。」
「おぉー、修羅場?」
少しふざけるように笑う。
 
「ううん、それはよかったの。凛くん別にやりたいわけでもなかったみたいだし。」
「まぁ、それはそうだろうな。」
「凛くんが気に入らなかったのはね、慧くんが3に入らなかったこと。」
「あー…なんか、わかるかも。」
そう?と白が笑う。
 
 
「自分より上のヤツが下にいたらちょっと、なぁ…。」
軽く呟いて、笑う。
 
「そんな感じ。ま、結局は慧くんが3日でNo.3やめて、No.12に入ったんだよね。」
「なーるほどねー…。そーりゃ気まずい雰囲気だな。」
「でしょ。2人ともホント素直じゃないからさ。」
特に凛くん、と言って、白がクスクスと笑う。
 
 
「慧くんが3やめた日、ちょうど朱がここにきた日なんだよね。」
「そうなの?」
「そう。後から考えると、慧くんは朱の近くにいたかっただけなのかも。」
「え、何それ。」
クスクスと笑う白に、軽く笑いかける。
 
「なんとなーくね、思うだけ。初めの訓練って、大体1つ上の人がやるからさ。」
「あ、そうなんだ。」
「うん、たまに例外もあるけどね。適性とかの関係で。」
「へー。…え、じゃあ、今誰か入ってきたら、もしかして俺がやるの?」
「あ、そうかもね。」
言って、白が楽しそうに笑う。

白は、笑うとホントに女の子みたいに見える。
本人に言うと怒るから、言わないけど。
 
 

「―…んー、よし。俺そろそろ帰るわ。」
「行動開始?」
クスクスと笑う白に、まぁな、と笑う。
 
 
「じゃ、またな。何かあったら報告するわ。」
待ってる、と笑う白に笑いかけて、部屋を出た。
 
落ちていく太陽が、眩しかった。
 
 
 
 
 
 
「―…慧!」
「お、おかえり朱ー…って、そんなに急いでどうした?」
不思議そうに、慧が問う。
 
 
「慧。俺、白から聞いた。慧と、凛さんのコト。」
「…そっか。それで?」
ふわりと、慧が優しく微笑む。

「…話とか、しないのか?凛さんと。」
「んー、しようにも、あっちが避けてるからさ。どうしようもないんだわ。」
「…んなの、慧が会いに行けばいいじゃん。」
「へ?」
予想外だったのか、慧が間抜けな声を出す。
 
 
「―それって、単なる逃げだろ。」
 
言って、まっすぐに慧の目を見る。
少しの間、沈黙が流れた。
 
 
 
「―…おっけ、朱には負けたわ。」
 
降参、って言って、慧が軽く両手を上げながら笑った。
 
 
 
 
―…コンコン
 
「―…ハイ、どちらさま?」
 
少ししてから、静かな声が聞こえた。
 
 
「―紋、俺。」
「慧?」
すぐにドアが開いて、紋が顔を出した。
 
 
「あれ、朱も一緒?どうしたの?」
言って、紋が笑う。
 
 
「えっとー…、凛、来てる?」
少し言いにくそうに、慧が問う。
 
あ、うん来てる、けど…どうしたの?」
「やー…朱が、な。」
「あー、なるほどねー。慧も朱には敵わないねぇー。」
「悪かったな…。」
2人は小声で話してるから、何を言ってるかはわからないけど。
なんか、紋はクスクスと笑ってる。
 
 
「―とりあえず、どうぞ?」
「どーも。」
楽しそうに笑う紋に、慧が軽く笑う。
 
「朱も。」
「あ、うん。」
笑って言われた紋の言葉に、部屋に入る。
 

奥には凛さんが座っていて。
 
少し、驚いたような顔をしていた。
 
 
 
 

 
中途半端に次に続く(笑) 
白は女の子みたいなカワイイ男の子希望(笑)ちなみに19歳。
無口とかじゃなくて、ちょっと口下手な感じ。
1対1ならよく話す。それ以上いると、聞き役になっちゃったり。
…まぁ、いいや。次へどうぞ(笑)