傷痕の願い
死んでしまおうと思ったの 呟いて、君が手首をそっと撫でる。 痛々しいくらいに、深く刻まれた傷痕。 傷は癒えても、心は癒えはしない。 目が覚めたときの、あの絶望感ったらないわ 君が悲しげな瞳で笑うから。 僕はどうしたらいいのかわからなくて目を伏せた。 止めることも、守ることも、僕にはできなかった。 いや、きっと今だってできない。 だってきっと、君はそれを望んでなんていないから。 君が死にたいと願うのならば、僕に止める権利なんてあるのだろうか。 生きていて欲しい、なんて。 どうしようもないくらいのエゴで固められた僕の想いは。 君にとっては、重いのだろうか。 少しでも、君の救いにはなれないのだろうか。 僕には何も、できないかもしれない。 君の苦しみも悲しみも、半分もわかってあげられないかもしれない。 それでも僕は、君の傍にいたい。 君と、共に生きていきたい。 それでも君は、消えたいと願ってしまうのだろうか。 僕では、君の生きる意味にはなれないのだろうか。 たとえ君が、僕の傍から消えてしまうときがきても。 君が幸せであるようにと、僕は最大級のエゴで願うよ。 ◇あとがき◇
ファイル整理してたら書きかけが出てきて勢いで書き上げてみた。
会話ナシの散文ブームだったときのモノだと思われ。 ちょうど今日の創作テンションに合ってたので書きやすかったです。 誰がどんなに傍にいてくれても、消えたいと願ってしまうコトもある。 それでもきっと、その誰かのために生きていけるんだと思う。 (2009/7/31) |