パラノイア





お気に入りの曲に耳を傾けながら、カッターの刃をカチカチと出す。
区切られたその音が面白くて、何度か繰り返す。


100円で買った、安っぽいカッター。
でも、切れ味と使いやすさはなかなか。

何の価値もないあたしには、お似合いかもしれない。



疵痕だらけの腕にカッターを置いて、軽く引く。
うっすらと血が滲んで、赤い線が増える。

痛くもなんともなくて、つまらなくて。
だから、今度はもっと力を入れてみた。

肌色の中から白い色が見えて、ソコから赤い色が溢れてくる。

ピリピリとした痛みに、思わず笑みが零れた。



死ぬためか、生きるためか。
意味も理由も、何もわからないけれど。

きっと、そんなことすらどうだってよくて。

あたしは、ただ繰り返すだけ。
今までも。きっと、これからも。


死ぬことも生きることもできないまま。


どうしてあたしは此処にいるのだろう。



◇あとがき◇
 
…リスカ話ってどうしてこう書きやすいのかしらね?(笑)
 
(2006/9/8)