ビー玉の瞳
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夜よりは、昼が好き。
雨の日は嫌い。晴れた日が好き。
雲の多い日も嫌い。雲は、少しあればいい。
どこまでも広がる、青が好き。
だけど、無秩序に広がる赤も、嫌いじゃない。
空を仰ぐことをやめて、足元に視線を移す。
そこには、赤くうごめくモノの姿があった。
早く死んでくれないかな
ぼんやりと考えながら、それを蹴り上げる。
鈍い音と低い声が耳に届く。
べしゃ、と黒い地面に、新しく赤い染みができた。
手についた血を軽く舐め取って、マズ、と低く呟く。
カチ、という音を立てて、黒い塊を目の前のモノに突き付ける。
大きく見開かれた瞳に薄く笑う。
この瞬間が、たまらなく好き
笑ったまま、引き金を引いた。
どさ、と大きな音と立てて、じわじわと、地面が赤く染まっていく。
仰向けに倒れたそれに歩み寄り、見開かれたままの瞳を覗き込む。
真っ青な空を映したそれ。
満足気に笑って、ポケットから細いナイフを取り出す。
目の横に突き立てると、溢れ出るのと同時に、頬に生暖かいモノが数滴飛んだ。
骨をジャマにしながら、ぐるりとナイフを一周させて。
隙間から指を入れたら、粘着質な音と共に、ころん、と丸いモノが出てきた。
赤く濡れたそれを空へと向けてみると、黒く輝く中に、キレイな青が見えた。
口の端を上げて声を出さずに笑って、青いビー玉から軽く赤を落とす。
それを舌の上に乗せて、ころん、と口の中に入れる。
ゆっくりと口を閉じると、ぐちゃ、という音がして、口の中に独特の感触が広がる。
ガムを噛むようにしながら、足元に転がるモノを見下ろす。
もう1つのビー玉も、同じように取り出して飲み込んだ。
青空を映すビー玉を失くした穴は、赤く光り輝く。
それを見下ろしながら、喉でくつくつと笑った。
見上げた空は、変わらずに青いままだった。
2004/12/10
この話を一番先に書いたんだ。唐突にグロが書きたかったの(笑)
グロって難しいなぁと実感したよ…(遠い目)誰か上手なグロ話の書き方を教えておくれー。
とりあえずね、白昼堂々人殺すなって話だね(笑) |