ブラッディルージュ

 

 

 
意外と、痛くないものなのかな
だって、声すら上げないもの
 
 
 
 
切れ味の鈍ったナイフで、切りつける。
細胞と、血管が、切れていく感覚。
 
赤い赤い液体が、溢れ出して流れていく。
 
 
 
 −あぁ、意外と切れ味はよかったのかも
 
ぼんやりと、考えた。
 
 
 
 
 
「−…銀、華。」
 
静かに名前を呼ばれて、ゆっくりと顔を上げる。
 
 
 
 
「−なぁに、金華?」
 
薄く笑いを浮かべて、甘く囁く
 
 
 
 
「−熱、い。」
 
軽く俯いて、金色の髪を揺らして、金華が呟く。
 
 
 
「熱いの?傷が?」
僕の問いに、金華が小さく首を振る。
 
 
 
 
 
「−血。」
 
呟く金華の腕から、赤が滑り落ちる。
 
 
 
 
 
深い、一筋の傷。
その周辺の、浅い傷。

なんの計画性もなく、ただ無意味に切り刻まれただけのもの。

それを、赤が彩る。
 
 
 
 
 
「−そっか、血って、温かいんだ。」
 
呟いて、軽く傷口に触れる。
白い指先が、赤く染まった。
 
 
痛かったのか、一瞬だけ金華が顔をしかめた。
 
 
 
 
 
「−…銀、触ん、な…。」
 
小さく、金華が呟く。
 
少しだけ、呼吸が荒い。
 
 
あぁ、そうか。
けっこう血出てるもんね。苦しいのかな?
 
 
 
はいはい、と答えて、赤く染まった指先を傷口から離す。
少しの間考えて、それを金華の顔へと持っていった。
 
 
 
 
 
「−…何。」
 
不思議そうな金華の問いに何も答えずに。
鮮やかな赤を、整った唇に薄く塗る。
 
白い肌に、よく映える色だった。
 
赤い赤い、瞳と同じ色。
 
 
 
 
 
「…女じゃねぇんだから。」
 
呆れたような金華の声に、クスクスと笑う。
 
 
 
塗ったばかりのそれを、金華が親指で擦る。
それをそのまま目の前に持ってきて。
 
さっきと同じように、今度は金華が赤を彩る。
 
 
 
 
「…僕だって、女じゃないよ?」
 
言って、クスクスと笑う。
赤い赤い、唇で。
 
 
 
 
 
「−…痛そう、だよね。ねぇ、痛い?」
 
薄く笑って、問う。
キレイに光る赤を、見下ろしながら。
 
 
 
 
「…そりゃ、痛ェだろ、普通に。」
 
呟いた金華に、クスクスと笑う。
 
 
 
 
「−ねぇ、やめて欲しい?」
 
言って、軽く微笑む。
 
ゆっくりと、金華が瞬きをした。
 
 
 
 
「−…やめれる、わけ?」
 
薄く笑って、金華が聞き返してくる。
それに対して、ゆっくりと笑った。
 
 
 
「−…ムリ、かな。」
 
呟いて、軽く笑う。

 
 
 
 
「−やめられない。やめて、あげない。」
 
 
まるで、呪いの言葉のように。
クスクスと笑いながら、言葉を吐いた。
 
 
白い肌を彩る赤が、とてもとてもキレイだった。
 
 
 

あとがき。
 
 
ノリで打ってたらよくわからなくなったよ(またかよ
狂ってる話が書きたかったのです。サイコさんですよ、ハイハイ(笑)
 
金華と銀華なのですがね、一応。「遊戯」とキャラが違うのはご愛嬌(待てや
銀がまともじゃなくなってる状態なわけよ、今は(笑)
うわーい、狂ってる話大好きだ自分(危ない
 
(2005/2/13)