あ お い や み
「―ねぇ、アンタってリストカッター?」 唐突に青空に影がかかって。 唐突なセリフが降ってきた。 目の前にあった顔はどこかで見たことがあって。 あぁ、そういえば同じクラスにいたかもしれないとぼんやり考えた。 「―…だったら、何?」 興味なさそうに返すと、相手がにんまりと笑った。 「―俺も、アンタと一緒。」 そう言って袖がまくられた腕。 赤い赤い、無数の傷跡。 自分の袖の下に隠れているものと、全く同じ。 明るい明るい、見ててムカつくくらいのその笑顔の下に。 底知れぬ、暗さを見たような気がした。 俺たちはきっと、お互いのことをよく知るよりも先にお互いの闇に触れてしまったんだ。 「―なぁ、 楽しそうな笑顔で問われて、響華はぼんやりと声の主を見た。 「…別に、たいした理由なんてねぇよ。死に切れてねぇだけだし。」 「ふぅん、そっか。」 「なんなんだよ、いきなり。」 ため息まじりに、響華が呟く。 「ん?なんとなく。ちゃんと聞いたことなかったかなって。」 「そーかよ。んじゃ、おまえは? 響華の言葉に、俺ー?と凌華が笑う。 「俺も一緒かも。なんとなくストレス発散で切っててー、死にたくなって死ねなくて。」 「そんなもんか。」 「そんなもんそんなもん。」 言って、凌華がクスクスと笑う。 初めて言葉を交わしてから、もう何ヶ月か。 2人して屋上で授業をサボるのは、もう何回目か。 その間に増えた傷跡は、もういくつあるのか。 何もかも、2人にとってはどうでもいいのだけれど。 「―なぁ、いっそさ、一緒に死んでみる?」 唐突な凌華の提案に、響華が軽く嘲笑する。 「なんでおまえと心中しなきゃなんねぇの。」 「あ、それもそっか。」 そりゃイヤかも、と言って凌華がクスクスと笑う。 ただ本当に、楽しそうに。 「…おまえさ、なんでそんな楽しそうなのに、こんなことしてんの?」 呆れたような顔で、響華が凌華に聞く。 当の凌華は、聞かれてキョトンとした顔をしていた。 「んー…わかんね。つーか、理由なんかわかってたら切ってないんじゃね?」 「それもそうだな。」 軽く言って、響華がタバコに火を点ける。 ゆっくりと白い煙が立ち上り、青い空へと溶けて消えた。 「…消えたいよな。消えれたら、楽なのに。」 静かな静かな凌華の呟きに、響華は何も答えなかった。 無言の、肯定。 どうして生きているのか。 その理由も意味も、わからない。 だけどきっと、これからもなんとなく生きていくんだと思う。 暗い暗い、真っ暗闇を抱えながら。 それでも、生きていくんだと思う。 いつか死ぬ、その日まで。 抜けるような、青空の下で。 暗闇の中で、生きて、逝く。 学校の屋上的な雰囲気でお願いします(またか)←雨と並んで好きなシチュエーションらしい(笑)
これはノリでパソコンでカタカタ打ってたので、適当この上ないです(笑)
(2005/10/4) |