窓の外から差し込む光
暖かく、その下に根付く
存在しないはずのその存在すら、優しく、暖かく
「−ねぇ、篠クン。これ、何て花?」
その問いに、篠がんー?と顔を上げる。
視線の先には、真っ白な花びらを持った、小さな花。
隣には、同じ種類の紫、青、ピンクが並ぶ。
「−白くん、何だと思うー?」
イジワルそうに笑いながら、篠が白の隣に立つ。
「うーん、わかんないや。見たことあるような気はするんだけど。」
何?と白が篠を見上げる。
「んーとねぇ、実は名前ないんだ。」
「え、っと…どーゆうこと?」
「実はね、この花ホントは存在しないの。」
不思議そうな白に、篠がニッコリと笑いかける。
「…ごめん、もっとわかんない。」
困ったような顔をする白に、篠がごめんごめん、と笑う。
「これねぇ、僕が作ったの。」
「…え?」
サラリと言われて、白がさらに不思議そうな顔をする。
「わかりやすく言うなら、遺伝子操作ってやつ。」
「え、ウソ、すごーい。」
驚きながら、白が花を見る。
「何種類か性質混ぜて、色素関係いじってみたりとかして。」
言いながら、篠が小さな花に手を伸ばす。
「だから、見たことあるよーな、ないよーな花ができてるわけ。」
「なるほどー。すごいねー篠クン。さっすが〜。」
「まぁ半分専門外なんだけどさ。」
言って、篠がクスクスと笑う。
「−冬に、咲く花が欲しくてね。」
「あ、そっか。冬は咲かないもんね。」
「そう。それってけっこう寂しいじゃない。だから自分で作っちゃいました。」
「作ろうと思って作れちゃうのがスゴイよね。」
言って、白がクスクスと笑う。
「あ、そうだ。よかったら一鉢もらってよ。」
「え、いいの?」
「うん。って言っても、実はまだ試作品なんだよね。」
言って、篠が鉢に手を伸ばす。
「だからさ、白くんがちゃんと咲かせてあげてよ。」
ニッコリと、微笑んで言う。
「うん、頑張るね。」
それに対して、白も同じように笑う。
「んーと、じゃあ何色がいいかなー。」
順番に見ながら、篠が考える。
「んー、やっぱ白かなー?」
「あ、やっぱりー?」
「あ、名前とかじゃなくてね。」
笑いながら、篠が言う。
「何て言うのかなー…。白くんってそーゆうイメージあるんだよね。」
「白い、イメージ?」
「んー…どっちかって言うと、透明な感じかな?」
少し考えながら篠が口を開く。
「透き通ってて、すごくキレイな感じ。」
言って、篠がニッコリと微笑みかける。
「…って、ごめん。意味わかんないよね。」
「あ、ううん。実は、けっこう嬉しいかも。」 えへへ、と白が少し照れたように笑う。
「ありがとね。大事に育てます。」
「ん、キレイに咲かせてあげてね。」
言って、2人で笑い合う。
窓際で咲いている、小さな花
存在しないはずの、存在
とても小さく、弱く、脆いモノ
とても、強いモノ
名もなき花
[名もなき花]
お題3つ目〜。今回は篠と白で。
自分で書いて言うのもなんかですが、ほのぼの組です(笑)
実は仲良しですよ、この2人。
遺伝の話とか適当なんで。できるかもしれないし、できないかもしれないし(笑)
(2004/11/12) |