「−った…。」
一瞬だけ声を漏らして、自分の指先を見る。
小さくついた傷から、赤い血が滲んでいた。
「あー…やっちゃった…。」
軽く笑いながら呟いて、傷ついた指先を軽くくわえる。
空いている方の手で、小さな花びらに触れた。
赤く咲いた薔薇の花。
そこから伸びた茎には、小さく、けれど鋭い棘がいくつもある。
「−綺麗な薔薇には棘がある、か。」
小さく呟いて、薄く笑う。
人に触れられることを恐れて。
だからこうして、他人を拒絶する。
まるで、あの人みたいだ、とぼんやり思った。
自分を守るためになんて、そんなこと言わなくていいように。
必要なのは、棘の必要ない人か。
それとも、傷ついてもなお、手を伸ばしてくれる人か。
〔棘〕 自分を守るためになんて、そんなこと言わなくていいように。 篠→紋で。
棘=薔薇しか思いつかないという話(笑)
紋が望むとしたら、きっと後者。
(2005/3/20) |