体 温 。




「―…桜、寝るならベッド行け。」


言うと、桜がゆっくりと頭を上げる。
足に感じていた微かな圧迫感が消えた。


「………。」

しばらく無言で考えた後、桜がまた頭を元の位置に置いた。
すでに目を閉じていて、動く気は毛頭ないらしい。


「…。」

小さくため息をついて、小さな頭を軽く撫でる。
サラサラと、黒髪が指の間を透りぬけていく。

その手をそのまま床に下ろして、逆の手でタバコに火を点けた。
軽く息を吸い込んで、ゆっくりと煙を吐き出す。


不意に、手に冷たいモノが触れた。
見下ろしてみると、床に置かれた手に白く細い指が重なっていて。

どうして冬でもないのに、こんなに冷たいのだろうと、ぼんやり思った。


暖かい春の陽射しが照らしているというのに、そこだけはまだ冬のようで。

おまえから伝わる季節外れの体温に、なぜか安心してしまう。


考えて、バカらしくなって小さく笑った。





〔体温〕  君から伝わる季節外れの体温に、どうしてか安心してしまうよ。

相変わらず甘々でお送りしております(笑)
桜は凛の傍が一番落ち着くわけで。だからいっつもくっついてます。
低体温だから、誰かといると暖かくてステキなのです(笑)
今さらですが、この人たち寝るかタバコ吸ってるかしかしてません(笑)

(2005・5・14)