嘘 。




あの子はいつも、笑っているから。
その笑顔の裏に、どれだけの嘘と涙を隠しているのだろう。
 
 
 
泣きたいときに泣くことができなくて。
笑いたくもないのに、笑顔で全てを隠してしまう。
 
あの子はきっと、少し僕に似ている。
 
 
泣くことは弱いことで、自分自身が許せなくて。
泣けない分、必要以上に笑ってしまう。
 
 
きっと笑えないときがきても、あの子は泣かないんだろうな。
僕らの前ではきっと涙なんか見せられないんだろうな。
 
弱いところなんてなかなか見せてくれなくて。
人懐っこい子犬みたいなのに、警戒心はきっと人一倍強くて。
 
それはきっと、恐いから。
 
気を許すことだったり。
傷ついたり。
傷つけたり。
 
そういうことをしたくないから、きっとあの子はいつも笑ってるんだろうな。
ホントでもウソでも、楽しいときでも辛いときでも。
 
 
あの子は、大事な子を傷つけてしまうのが恐いんだろうな。
壊れてしまうかもしれないのが、恐いんだろうな。
 
 
笑って吐く大丈夫なんて、嘘。
 
それを見る度に、苦しくなる。
 
だってそれは傷つけない為の、ああなんて優しくて痛い嘘。
 
 
誰かを傷つけることを、酷く恐がって。
自分が傷つくことを、何一つ厭わない。
 
とても、寂しい子。

 だけど、嘘をつかせているのも哀しい想いをさせているのも、僕。
全部、きっと僕のせい。
 
 
嘘の仮面が全部外れて。
それでもきっと泣けないあの子は、笑うことすらできなくなってしまうのかな。
 
笑っていて欲しいと思う僕は、どうしようもない偽善者だ。
 
 
一番の嘘吐きは、きっとこの僕だ。
 
 



〔嘘〕  だってそれは傷つけない為の、ああなんて優しくて痛い嘘。

ひっさびさにお題なんぞ。紋→慧な感じです。
相変わらず独白好きみたいですネ。
 
紋と慧はちょっと似てる気がする。
笑ってごまかしちゃうとことか、弱いとこ見せられる人の前じゃないと本音言えなかったり。
まぁ、慧は素が明るい子なんであんまりないけどね(笑)

(2009・9・14)