言えない言葉
|
たった一言。 たったの2文字。 言いたくて、言えなくて。 ずっと、言わずにいた。 きっとこれからも、ずっと言わないコトバ。 いつからだろう。 こんな気持ちを、抱くようになったのは。 きっと君が、何もない日々から僕を救ってくれた日から、ずっと。 自分を殺して生きていた日々から、君が僕を救ってくれたんだ。 「―白って、彼女いんの?」 唐突な言葉に、思わず動きを止めて。 声の主を見たら、普段と何一つ変わらずに笑っていた。 「…慧くん、いきなり何言うかと思えば…。」 「や、単なる興味本位なんですけど。気になっただけでございます。」 そんな慧くんの反応がおかしくて、クスクスと笑う。 「いないよ、普通に。そーゆう慧くんは?」 コーヒーの入ったカップを置きながら、聞き返す。 「んー?俺はなんかもー彼女とかめんどくさい。」 本当に面倒臭そうに、慧くんが吐き捨てる。 最近の高校生は恐いなー。 「てゆうか俺さ、白と哉が付き合ってると思ってた、最初。」 その言葉に、思わず軽く吹き出す。 「ないない。哉ちゃんは篠くん大好きだから。」 「だーよなー。あそこの2人ラブラブだもんなー。」 黄くんと凪ちゃんもねー、と言うと、確かにーと慧くんが頷く。 「でもアレだろ?白は哉のこと好きじゃん。」 「…まぁ、良きパートナーですからねぇ。」 「そうじゃなくって。」 好きだろ?と聞かれて、何も答えられなかった。 ただ黙って笑うことしかできなかった。 「…辛く、ねぇの?」 「……まぁ、辛いと言えば辛いけどさぁ。」 「しょうがない?」 慧くんの言葉に、少し考える。 「なんだろ……哉ちゃんは、僕の人生を変えてくれた人だから。」 「なんかいきなり話が壮大だなー。」 「でもホントに。」 哉ちゃんがいなかったら、僕はとっくの昔に死んでたから 言って、軽く笑う。 慧くんは、何も言わなかった。 「だから、憧れみたいなものだよ。うん。」 「…言う気はねぇの?哉に。」 「うん、言わない。これは絶対。」 自分に言い聞かせるかのように、強く、呟く。 「…なんで?」 「哉ちゃんは優しいから…。言ったら、哉ちゃんが苦しむでしょ?」 「あー……なんとなくわかった。」 言いながら、慧くんがタバコに火を点けた。 「――― 白は、優しいな。」 唐突に呟かれた言葉。 その瞳はとても悲しそうな色をしていて。 僕は何も、聞けなかった。 白が哉のこと好きなんだよって言いたかっただけの話(ぇえ
たぶん普通にしんどいよね、この子(酷い) 終わりが中途半端なのは突っ込んじゃダメ!(爆) (2007/9/1) |