つ な が り
いつだって 繋がっていたいわけではないけれど
だけど
繋がりが 欲しいと、思ってしまう
「―…
低い声で呟かれて、開いていたケータイをパタンと閉じる。
「
「あーハイハイ。」
至極めんどくさそうに、隆也が返す。
「何したんだよ。」
「んー、メールが返ってこねー。」
不満そうに言うと、はぁ?と返ってくる。
「昨日さ、俺おまえんとこ泊まったじゃん。で、今日も帰れねーんだわ。」
仕事でー、と心の中で呟く。
「で、昨日とさっきとメールしたんだけど、返ってこねーんだよ。」
「…それってんな重要なことか?」
「すげー重要ー。だってさ、相手がそれをわかってねーんだぜ?」
重要かねぇ?と呟いて、隆也がケータイを開く。
「―あ、
「はよ、
「おっはよー。」
へらっと笑って、透流が前の席にカバンを置く。
「んでー?慧は何ふてくされてんのー?」
「メールが返ってこねーんだとよ。」
「なになにー?彼女ー?」
「うんにゃー、同居人。」
あぁ、と透流が頷く。
「して、隆也さんは何面白そうなことしてんすかー?」
「ん、メールチェック。」
「慧の?(笑)」
「そ。」
2人の会話を聞いて、は?と身体を起こす。
「―ちょ、おまっ、何してんの!?」
「おまえ気づくのおせーよ。」
「っていうか返せっつの。」
「何か面白いメールあったー?」
「全然。つまんねーのばっか。」
俺を無視して、勝手に話が進む。
「チェンメやたら多いな、おまえ。」
「おっまえがムダに送ってくるんだろうが。」
「あ、ホントだ。チェンメの送信主、隆也ばっか。」
ケータイを覗き込んで、透流が笑う。
しかも不幸になります系ばっか、と更に笑う。
「内容もよくわかんねーのばっかだし。仕事だの、時間だの。」
「何それ?バイトー?」
「あー…そう。てかマジ勘弁。返して。」
俺の言葉に、ハイハイ、と答えて、隆也がケータイを投げてよこす。
「何か消してねーよな?」
「消してねーよ。」
ならいーけどさ、と言って、ケータイを開く。
「―はよーっす。」
「はよ。」
「おはよー。」
「おはよー、加藤。朝練お疲れっすー。」
疲れたー、と言って、加藤がイスに座る。
「で?慧は何ケータイ睨んでんの?」
「メールが返ってこないんだってさー。」
「同棲相手から。」
「コラコラ。」
隆也の発言に、少し呆れながら口を開く。
「同居だ同居。」
「同じだろ。」
「違ェよ。相手男だっつってんだろーが。」
「手ェ出してねーの?」
「出さねーよ。」
「なんだ、つまんね。」
隆也の言葉に、おいおいと返す。
「おまえの中で俺ってどんなイメージなんだよ。」
軽くため息をついて問う。
「どっちでもよさそう。」
「うん、そんなイメージあるなー。」
「確かに。」
順に、隆也、透流、加藤。
その言葉に、ガク、と肩を落とす。
「…おまえら、ホントは俺のこと嫌いだろ。」
「ううん。」
「全然。」
「大好きv」
加藤、隆也、透流の順で簡潔に答えが返ってくる。
「何て言うかー、可愛さ余って憎さ100倍?」
「反応面白いし。」
「からかいがいがあんだよ。」
透流と加藤が笑いながら言って、隆也が辛辣な一言を吐く。
「…もういーよ、ありがと。」
ため息混じりに、小さく呟く。
「…っていうかさ、慧。」
「んー?」
「メール、センター問い合わせしてみた?」
「…。」
加藤の言葉に、ケータイを見て少し考える。
「―あ、そっか、してねぇ!」
急いでケータイを開いて、いくつかボタンを押す。
「え、慧気づいてなかったのー?」
「え、全然。てか透流も気づいてたんなら言えよ。」
センター問い合わせ中の画面のまま、ケータイを机に置く。
「や、だって隆也が気づかないわけないから、もう言ってるかなーって…。」
透流の言葉に、くるっと隆也を見る。
「―…だから、おまえ気づくのおせーんだって。」
「うっわー…隆也、性格悪ィー。」
「おまえに言われたくねぇわ。」
隆也の一言に、透流と加藤がそりゃそーだと笑う。
そのとき、机の上でケータイが震えた。
「あー、きてたきてた…うわ、2つともちゃんと返ってきてんじゃん。」
メールを開いて、1人で焦る。
「アキちゃん何だってー?」
言って、透流が覗き込む。
「ちゃん言うなって。普通に、わかったって。」
「寂しいー、とかないのー?」
「ねぇよ。」
言って、クスクスと笑う。
「―神楽、そいつタメだっけか?」
「ん?そだよ、どうかしたか?」
隆也の問いに、ケータイを閉じながら答える。
「今度連れて来いよ。」
唐突な言葉に、少し考える。
「…えーと、隆也さーん?どーやって?」
「それはおまえが考えろよ。」
「おい。」
そのやり取りに、透流と加藤が面白そうに笑う。
「てか何、急に。隆也が他人に興味持つなんて珍しいじゃん。」
「なんとなく。おまえがそこまでご執心な"アキちゃん"とやらに会ってみたいだけ。」
「ふーん。」
言って、ニヤニヤと笑う。
「―何、気持ち悪ィ。」
軽く眉を顰めて隆也が言う。
「いやいや〜、慧くんってば愛されちゃってるなーと。」
「いっぺん死んでこい。」
さっくりと言われて、頭をぱしっと叩かれる。
それに対して加藤と透流が爆笑しているとき、教室に担任が入ってきた。
堰を切ったかのように、生徒たちがガタガタと席に着く。
何かを告げるその声を聞き流しながら、机のかげでケータイを開く。
画面に映し出される、そう長くはない文面。
『了解ー。仕事、頑張れ。あ、学校もな。』
とても簡潔に、用件だけ書かれたメールを見て、1人で小さく笑う。
「(―…寂しいのは、俺の方、かもな)」
たった少しの 小さな小さな繋がり
だけど
大事な大事な 君との繋がり
あたしまとも(?)な学園モノ書いてる!(笑)
さてさて、今回やたら知らない人でてきましたが。みんな慧の友達ですた。
あの慧がいじめられてる(?)ヨ!?(笑)ちなみに本名↓
名字呼びで温度低いのが、斉藤 隆也。
間延びしてるのん気そうなのが、水上 透流。
バスケットマンなのが、加藤 真人(マナト)。
脇役の名前とか考えるのムダに楽しかった笑)加藤はなぜかみんな名字呼び(ミステリー/笑
慧はたぶんホントにどっちでもイケるク…ゴホゴホ(吐血
メールって、何も触ってなくてもときどきセンターいくんだよね。あれけっこう参るよねー。
まぁド○モさんも頑張ってるんだろうから文句は言わんけど…いや、言いたいけど…(笑)
どうでもいいけど、朱はメールとか打つの苦手なので用件のみです(笑)
(2004/10/23) |