色 の    
 

あの日はそう、雨が降っていた。
ドシャ降りとゆう程でもなく、でも傘をささないとちょっと辛いくらいの、微妙な雨。

学校からの帰り道。
珍しく2人揃って仕事がなかったから、駅で待ち合わせて帰ったんだった。

他愛のない会話をしながら、家路についていたんだった。



それに先に気づいたのは、葵の方だった。
指差された先にいたのは、一匹の薄汚れた子猫だった。

俺は動物は好きだったし、かわいかったからその子猫を抱き上げた。
葵は嫌いではなかったけど、好きではなかった。
それよりも、汚れるのが嫌だったんだろうなと思う。

だけど、俺が撫でてみなよって言ったら、ちゃんと頭を撫でてあげる優しいヤツだった。



元は白かったんだろうその子猫は、俺の腕の中で落ち着かない様子だった。
あまり人に慣れてはいなかったんだろう。
俺もそこで離してあげればよかったのに、かわいかったからつい構ってしまったんだ。



不意に、頬に軽い痛みが走って。
手の中で、毛を逆立たせて威嚇している子猫がいて。


静かな、冷たい瞳をした葵が、とても印象的だったんだ。



その次はもう、子猫は俺の手の中にはいなかった。
逃げたわけでもなく、ただ俺が手を離しただけ。
だってもう、それはカワイイ子猫ではなかったから。




――――――なんで?―――――――――


って、葵に聞いてみた。不思議だったから。



―――――慧に傷をつけたから――――――


当り前のように、言葉が返ってきた。


俺は、足元の子猫を見下ろしてみた。
子猫だった灰色のモノは、赤い水溜まりの中でぴくりとも動かなかった。


恐いとか悔しいとか酷いとか、そんな感情も何も出てこなかった。



心配そうな瞳で、俺の頬についた血を拭う葵を見ながら思ったんだ。


あぁ、葵は俺を守ってくれる人なんだ、って。

だから、俺も葵を守ってやらなくちゃいけないんだ、って。


俺には葵だけで、葵には俺だけだから。




少し酷くなった雨の中、傘をさしながら2人で歩いて帰った。

手についた血も、赤く濡れたナイフも、雨がすぐに洗い流してくれた。
だからすぐに、子猫のことなんて忘れてしまった。
そうでなくとも、すぐに忘れていたと思うけど。

頬の痛みだってホラ、何にも覚えちゃいない。



ただ一つだけ、葵のあの瞳だけが、今も忘れられないんだ。





 
唐突に思いついたので書いてみただけとゆう話。
サイコさん2人。ちなみに中学生。かわいくないねー(笑)
葵は壊れてるけど慧も負けじとおかしいからネ★

最近慧ばっかりですねー。話進みませんねー(ほんとだよ
 
 
(2008/2/23)