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ペースメーカー
 
 
「-尚、今いいか?」
「おー、凜。ちょい待ってなー。」
言って、尚がガタガタと何かを片付ける。
 
すぐに、座るスペースが出来上がった。
 
 
 
「何か飲むかー?とりあえず一通りあっけど。」
「ん、いーわ、すぐ帰るし。」
そ?と言って、烏龍茶のボトルとグラスを2つ持って、前に座る。
 
「ま、茶ーぐらい飲んでけ。」
笑いながら言う尚に、ふっ、と笑う。
コイツのこーゆうノリは、嫌いじゃないなと思う。
 
 
 
「-んで、どした?」
「あー、銃、1つ造って欲しいんだわ。」
「銃ー?え、なんか変になったか?」
「俺のじゃなくて。」
不思議そうな顔をする尚に言う。
 
 
「あぁ、桜の?」
納得したように、尚が笑う。
 
 
「かっわいいなー、凜ちゃんは。」
「ちゃん言うな。」
不機嫌そうに吐き捨てると、尚がクスクスと笑う。
 
 
 
「で、桜のどした?」
「もう少し軽くとか、できるか?」
「重量ー?」
「どっちかって言うと、反動。」
「あー、ハイハイ。」
軽く頷きながら、尚が呟く。
 
 
 
「桜ほっそいもんな。肉つかなそー。」
「実際つかねーんだよ、アイツ。」
「でも筋肉ついた桜なんてやだぜー?」
言って、尚がクスクスと笑う。
 
 
「あいつカワイイもんなー、女みてぇで。手ェ出すなよー?」
「アホか。」
言い捨てると、尚が楽しそうに笑う。
 
 
「んー、反動かー…どうすっかなぁ…。」
考えるようにして、尚が何かを呟く。
 
 
 
それを横目に、部屋を見渡す。
色々なモノが溢れ返っていて、広いはずの部屋がとても狭いように感じた。
 
 
 
「んー、いっそのコト、エアにすっかー?」
「エアっつーと…エアガン?」
そ、と言って、目の前に小さなエアガンが置かれる。
 
「…オモチャじゃ人は殺せねーだろ。」
「エアもバカにできねぇんだぜー?」
笑いながら、尚がさっきのオモチャを構える。
 
伸ばした腕の先にあったのは、壁にかけられたダーツの的。
 
 
すぐ近くで、エア独特の音がして。
刹那、カン、という固い音がした。
 
 
立ち上がって近付くと、的のど真ん中に穴が空いていて。
それを持ち上げると、コンクリートの壁にしっかりと埋め込まれている弾があった。
 
 
 
 
「…マジ?」
 
振り返ると、尚が得意げに笑っていた。
 
 
「バカにできねーだろ?」
同じ場所に座り直して、クスクスと笑う尚から小さな銃を受け取る。
 
 
「圧力変えてやればエアでも充分凶器になるんだって。」
言いながら、尚が楽しそうに笑う。
 
 
「まぁ違法だけどな。」
「んなこと言ったら、俺らの存在自体が違法だろ。」
「あー、そうでした。」
言って、2人でくつくつと笑う。
 
 
「で、どうする?」
「んー…やっぱこれ、実銃には劣るんだろ?」
「それはな。ただ単にお遊びで造ったヤツだし。」
足下に置かれた銃を指差して言う。
 
 
「もっと圧力上げて、実弾もちゃんと撃てるようにすりゃ、人なんか簡単に殺れるぜ?」
 
へらっと笑いながら、尚が言う。
 
 
 
「…んなコト、できんのかよ?」
たかがエアガンだろ?と、問う。
 
 
 
「-俺を誰だと思ってんだよ。」
 
 
言って、尚が笑う。
 
自信満々に、何も恐いモノなんてないかのような、笑顔。
 
 
それを見て、ふっ、と笑う。
 
 
 
「おまえさ、その笑い方、紋みたいだぜ?」
「ゲ、マジで?」
途端に嫌そうな顔をする尚を見て、クスクスと笑う。
 
 
「おまえ、ホント紋のコト嫌いだよな。」
「嫌いっつーか…苦手っつーか…ムカつく?」
「同じだって。」
「あ、マジ?」
言って、尚が笑う。
 
 
 
「だってさー、アイツと話してると疲れねぇ?何一つ本音言わねぇもん。」
不満そうな顔で、尚が言い捨てる。
まぁな、と言うと、だろー?という言葉が返ってくる。
 
 
「すげーバカにされてる気分になるんだよな。」
「…アイツも歪んでるからな。」
言いながら、タバコをくわえる。
 
 
 
「凜ちゃーん、いくらヘビースモーカーでもココでタバコは吸わないコトー。」
言うやいなや、くわえたばかりのタバコを取り上げられる。
 
「あー…悪ィ。」
「ったくー、習慣ってのは恐いねー。」
言いながら、尚がクスクスと笑う。
 
 
 
「じゃあ、俺帰るわ。」
「おー、帰ってから吸ってな。」
「そうする。」
クスクスと笑う尚に、同じように笑いかける。
 
 
 
「-あ、あと何か注文あっか?」
「あー…そこらへんは適当に。ペースメーカーさんに任せるわ。」
笑いながら言うと、尚がくつくつと喉で笑う。
 
 
「んじゃ頼むな。」
「お~。桜によろしくな~。」
ヒラヒラと手を振る尚に背を向けて、部屋をあとにした。
 
 
 
 
 
「-…歪んでる、ねぇ…。」
 
1人になった部屋で、小さく呟く。
 
 
 
「…あんなんで揺らぐくらいなら、言わなきゃいーのに。」
 
凜から取り上げたタバコを見ながら言う。
 
 
 
「-カワイイなー、凜は。」
 
言って、くつくつと笑う。
 
 
「-…ホーント、ムカつくわ。」
 
 
パシッという音がして、手の中のタバコが2つに折れた。
 
 

とっても前に書きました。あんまり気に入ってなくて今までほっといたのですが。
何って、やり取りやらは別にいいんだけど、話が気に入らない(あれ
 
あの、あたし専門知識ゼロなので、エアガンの仕組みとか全く知りませんから。
何をどうすりゃいいか知らないので、そこらへんは力強く目を瞑っといてください(笑)
尚はとりあえず何でもできるのです、ハイ(笑)
 
ペースメーカーってのは、尚の通り名でございます。
実はすごいんです、マジで。ただのアル中じゃあないんですヨ(笑)
紋との話そのうち書きますゆえ…(遠い目
 
凛にとっては、紋が神様までいかないにしても、絶対的な存在なわけです。
それを、話合わせるにしても否定するコトで少し揺らいじゃったわけです。
タバコが日常の1つであり、精神安定剤みたいな雰囲気で。
…何言いたいのかわかんなくなってきた(爆
 
実はこれの続きっぽいヤツ書いてまして。
それをやりたいがために今回これアップされました(爆笑
ホント気に入らないんで、そのうちひっそりこっそり書き直せたら書き直します(笑)
 
ちなみに、最後に尚がむかつく言ってるのは、凛じゃなくて紋ですよ(笑
 
 
 
(2004/12/26)