オ ト ナ ロ ッ プ 
 

早くオトナになりたいと思ってた。
コドモ扱いされるのなんかまっぴらだし、ヒトリで生きていけるようになりたいと思ったから。




施設を飛び出したのは14の冬だった。

別に居心地が悪かったわけじゃない。
施設が嫌になったんじゃない。

俺のせいで、みんなに迷惑をかけていることが嫌になっただけ。


俺の髪の色のことで不吉だとかなんとか近所で噂が立って。
またたく間にそれは広まって、子供たちの引き取り手も減って。
園長はいっつも頭を抱えてた。
それなのに俺はのうのうと暮らしてなんていられなかった。

だから、施設を出た。

でもきっとそれはただの言い訳。
きっと俺は紗紀がいなくなって、自分の居場所を失くしただけだったんだと思う。




手段を選ばなければ、ヒトリで生きていくのは簡単だった。
だけど時々、どうしようもないくらい虚しくなって。
いっそ死んでしまえたら楽なのかと思うこともあった。

それでも生きていたのは、月に一度、紗紀に会っていたからだと思う。


紗紀はいつも、笑っていた。
だから俺も、心配をかけないように笑っていた。

そんな日々がいつまでも続くモノだと、何も疑わずに信じていた。



だけどある日突然、それは崩れた。


紗紀がいなくなってしまった。

ソコにはもう、俺の生きている意味はなくなっていた。


だからもう、死んでしまっても構わなかった。



なのに今、なんで俺はまだ生きているのだろう。


紋の優しさに、触れたから。

人を殺めてまで生きていたいなんて、これっぽっちも思わないのに。



ココに来て、慧と出会って、色々な人と出会って。
微かな疑問が、確信へと変わってしまったから。



最初はただ、真実を知りたかった。

ただ、それだけだったんだ。



真実があまりにも重くて、耐え切れなくなったとき。
俺は一体どうするんだろう?

自分か、もしくは誰かの命を、奪ってしまうのだろうか。






「―――――――紋。」


ぼーっとする頭で、名前を呼んだ。
泣きたくなるくらい優しい声で返事をするから、俺は俯いてしまった。



「―――どうしたの、朱?」


優しい瞳で、紋が微笑む。
この微笑みの中に、どれほどの悲しみや苦痛を隠して生きているのだろう。


人に弱さを見せられなくて、みんなの前ではいつも強くいなければいけなくて。

本当はきっと、強くなんてないのに。




「――――………紗紀を、殺したヤツ…知ってる、よね?」


たどたどしく尋ねた言葉に、返事はなかった。


ただ、優しい優しい瞳が、少しだけ哀しくなったから。

だから俺は、それ以上何も聞けなかったんだ。




紋が自分を押し殺して築き上げてきた楽園を、俺は壊してしまうのだろうか。

みんなの居場所を、俺が奪ってしまうのだろうか。

この場所に甘えていた俺に、そんな権利があるのだろうか。


何が正しいとか、何が間違っているとか。
そんなコトは全然わからなくて。

ただ、真実を知りたいだけなんだと。
どうしようもないエゴイズムに、やっぱり俺はまだまだオトナにはなれないのかな、なんて。

ぼんやりと、想った。








 
書きかけのまま放置してたら、どうし締めくくりたいのかわかんなくて中途半端にしてしまいました☆(笑)

ちょっとしばらくの間書きかけを完成させよう週間でいきます(何のこっちゃ

 
 
(2009/2/18)