傷痕、血、崩壊
 
 
 
 
「−っ」
 
 
ぼんやりとする頭で、微かに感じた痛みに眉をひそめる。
見ると、どこにぶつけたのか指の付け根から血が滲んでいた。
 
剥がれた皮を取って、傷口を見下ろす。
小さな傷が無駄に痛んで、軽く舌打ちをした。
 
 
目線を上げると、その先には鏡があって。
前髪で隠れた部分からひきつった皮膚が覗いていた。
 
鋭くついた傷痕に爪を立ててみたら、思いの他微かに痛んで。
それに苛ついて、そのまま引っ掻いてみた。
 
 
微かに痛みが走って、何か生温いモノが頬を滑り落ちた。
ポタ、と白いシーツに紅い染みができる。
 
 
あぁ、血か、とぼんやり考えていた。
 
 
 

 
「−ちょ、おまえ何してんだよ!」
 
 
不意に聞こえた声に、声のした方向に顔を向ける。
目に入った銀髪に、そういえばドアの開く音したな、とぼんやり思った。
 
 
 
「玄、大丈夫か?」
すぐに隣に来て、白い指が伸びてくる。
 
 
 
「…尚、おまえ何しに来たんだよ。」
 
その手を遮るように手をかざして、軽く呟く。
 
 
 
「何しに来たって?わざわざ届けもんしに来てやったんだろうが。」
軽く苛立ったような表情で、尚が言葉を吐く。
行き場のない手が下ろされた。
 
 
「何怒ってんだ、おまえ。」
「怒るっつーの。」
遮るより先に指が頬に触れて。
白い指先が赤く染まる。
 
 
「…痛くねーの?」
「さぁ。」
静かに呟かれた言葉に、同じように静かに返す。
 
軽く、尚がため息をついた。
 
 
 
「とりあえず篠呼んでー…、」
「呼ぶなよ、馬鹿。」
「あー…そっか。」
バツが悪そうな顔をする尚が可笑しくて。
 
不意に、笑えてきた。

 
 
 
「…笑ってんじゃねぇよ。」
 
言いながら、軽く小突かれる。
 
微かに、笑い声が洩れた。
尚は、不機嫌そうだった。
 
 
 
何が可笑しいのか、よくわからなかった。
ただなんとなく、笑えた。
 
 
傷も痛みも、どうだってよかった。
 
 
たぶん、そう。
俺はどっか壊れてんだと思う。

 
 
 
あの日から、ずっと。
 
 
何かが、壊れてる。
 
壊れてく。
 
 
 
 

   
…なんで玄の視点で書くと暗い話になるんだろ(笑)あれ、もしかしてこの人ネクラ?(爆笑
玄の話がなかなか進まなくてじれったい(進めなさいよ
あの日ってのは零が死んだ日のコトで。引きずりまくってますから、この人(笑)
 
ちなみに寝起きにどっかに手ぶつけた感じで。あたしがよくやる(アホだ
小さい傷のくせに妙に痛かったりとかしません?そんな感じで(笑)
玄の傷についての表現が曖昧すぎて微妙ですね、すみません(汗
そ、そのうちちゃんと誰かに描写やらせますので…(なんだそれ
とりあえず、玄はどっか壊れてますよーってコトで(まとめ?
 
 
 
(2005/3/28)