ice
「−…あっれ、哉ー?」
聞き慣れた声に振り返ると、そこには青っぽい制服姿の男がいた。
「慧ー?何、学校帰り?」
「そーそー。」
「サボらずに行ってるんだ?」
クスクスと笑いながら聞く。
「失礼なー。つか一人なの?」
「うん。友達と約束してたんだけどドタキャンされちゃって。」
「あ、マジ?じゃあどっかでお茶でもしてかねー?」
笑って言う慧に、いいよ、と答えて歩き出す。
「−ってか、哉と話すんの珍しい感じだよなー。」
適当な店に入って、適当に頼んだアイスコーヒーを飲みながら慧が言う。
「あー、そうかもね。お互い忙しいしね。」
「だよなー。今日仕事は?」
「ナシ。そっちは?」
「あるんだよなー。めんどくせー。」
「そんなコト言ってたら仕事になんないでしょ。」
アタシの言葉に、確かにー、って笑いながら答える。
「6時になったら行かなきゃだー。」
「じゃあそんなにゆっくりできないのね。」
5時を30分ほどまわった時計を見ながら、アイスティーを一口飲む。
「てかその格好で行くの?」
「あぁ、うん。帰って着替える時間もなさそうだし。」
「…それって、アタシとお茶してなきゃ間に合ってたんじゃない?」
「それはそれ、これはこれ。俺がお茶したかったからいいんだって。」
言って、慧がニッコリと笑う。とても人懐っこい笑顔で。
「それにホラ。血出さなくたって殺れるし?」
ニッコリと笑って慧が言う。とてもとても、当たり前のような言葉。
その言葉に、アタシは笑って肯定する。
「あ、そうだ。朱、仕事のこと知らねーからさ、帰ったら言っといてくんない?」
「別にいいけど。メールとかすればいいんじゃないの?」
「それが今ケータイの充電切れてんだよなー。」
「バカねー。ちゃんと充電しときなさいよー。」
言って、クスクスと笑う。
「やぁ、ついうっかりー。てかさー、哉って朱と仲いいよな。」
「アンタが言うの?それ。」
「あ、そっか。」
当たり前のコトのように言って、慧が笑う。
「……っていうか、アンタ何考えてんの?」
「何がー?」
アタシの問いに、慧はへらっと笑って答える。
「−…そうやって、何をしようとしてんの?」
それに対して、慧はゆっくりと笑う。
優しい、冷たい笑顔。
紋さんのそれに、よく似ている。
とても優しい、恐い笑顔。
「…まぁ聞いたって答えないんだろうけど。ただ−」
少し間をおいて、言葉を紡ぐ。ゆっくりと、はっきりと。
「−朱に何かしたら許さないからね。」
慧の目をまっすぐに見て言う。
紫色の、吸い込まれてしまいそうなくらいキレイで、冷たい瞳。
「−…俺に言うの?それ。」
呟くように言って、ふっ、と落としたように慧が笑う。
「…そうね、アンタには愚問だった。」
言いながら軽く笑って、ため息を一つつく。
何が本当で、何が嘘なのか何もわからないけれど。
朱に対するモノだけは本当なんだと思うから。
「…さて、そろそろ出る?」
「そだな。レシートちょうだい。」
「いいよ、アタシ払うし。」
手を伸ばす慧に、その先にあったレシートを手に取って笑う。
「え、いいよ。女の子に奢ってもらうわけにはいかないっしょ。」
「だからって年下に奢ってもらうのもなんかあれだし。」
「いいって。」
「いいわよ。」
「…。」
「……。」
少しの沈黙のあと、どちらからともなく笑い出す。
「何なんだろ、バカみてぇ。」
「ホント、何なんだか。」
言って、お互いにクスクスと笑う。
「んじゃあ、俺が誘ったんだし、ココは俺が払いましょう。」
「じゃあそーゆうコトで。」
笑いながら立ち上がる慧を見て、それに続く。
「−じゃあよろしくな、哉。」
「ん、わかった。仕事がんばりなね。」
「お〜。また今度ゆっくりお茶しような。じゃあまた。」
笑いながら手を振る慧に、同じように笑って手を振る。
その姿が人混みに消えていくのを見ながら、ゆっくりと手を下ろす。
「−……はっ…やだなぁ、もう…。」
震える手を握りしめながら、小さく自嘲気味に呟いた。
ホントに慧が多いね、最近(笑)
いつも同じ組み合わせなので、書いたコトのない組み合わせで書いてみようと思ったモノ。
全部でいくつあると思ってんだ自分…(遠い目
続くかどうかもわからんよ(おーい
慧の笑顔は恐いと思うよ(他人事)
むしろヤツがマリアでもいいくらいさ(待て待て
普段はきっと恐くも何ともないんだけどね、。慧も紋も。
哉が手震えてるのは冷たい笑顔が恐かったからです。 この話何が書きたかったか謎でした(おいこら
…とりあえず朱が大事なんだ、二人とも(まとめ) |