グ ラ ス
「−…桜、メシ。」
言って、ボーっとしている桜の前に皿を置く。
「熱いから気ィつけろよ。」
フォークを手渡すと、桜が少し考えてから動き始める。
「食ったら洗い出しといて、いつもんとこ。」
コクン、と頷いた桜を見て、部屋をあとにした。
「−…お帰りー。」
パタン、とドアを閉めると、タバコを銜えたまま慧が笑いながら言った。
「悪かったな。」
「うんにゃ〜。お姫さんのお食事は済みましたか?」
言って、楽しそうに笑う。
「あぁ、とりあえずは。アイツ1人だとメシも食わねーからな。」
「てか凛からじゃないと食わなそうだよな。」
かもな、って言って、慧と同じようにタバコに火を点ける。
部屋に充満していく、2種類のタバコの匂い。
「−あ、じゃあさ、凛が桜を殺すのは簡単なのな。」
「いきなり何の話だよ。」
「や、なんとなくさ。思っただけ。」
言って、慧は笑う。
「そのクセ、凛を殺すのはすげー難しいなー。」
「だから、何の話だって。」
「だからなんとなく思っただけだって。」
クスクスと笑って、慧が言う。
「−じゃあアレだな。おまえを殺すのも大変だな。」
「そうでもねーよ?」
そうか?って聞き返すと、慧が少し意味深に笑う。
「−俺は、朱にだったら、いつ殺されたっていいぜ。」
冗談っぽく笑って、だけど本気の言葉を吐いて慧は笑う。
「…おまえはホント朱ばっかだな。」
煙を吐き出しながら言って、タバコを灰皿に押しつける。
それに対して、慧は笑う。
「−…っつーか、やっぱりそれが一番難しいんじゃねーの?」
「なんでー?」
「アイツは、おまえのコト殺さねーだろ。」
言って、また新しいタバコに火を点ける。
「−…朱は優しいからなー…。」
そう言って慧は薄く笑う。
「そーじゃなくて。まぁそれもあんだろーけど。」
「何?」
不思議そうな顔をして、慧が言う。
深い紫色をした、まっすぐな瞳で。
「−…アイツはアイツで、おまえのコトすげー大事だろ。」
煙を吐きながら、軽く笑って言う。
それに対して、慧は少し驚いたような顔をする。
それが少し珍しくて、思わず喉でくつくつと笑う。
「−っな、笑うなよ。」
「悪ィ悪ィ。おなえが何かに動揺すんの珍しくてよ。」
いつもムカツクくらい余裕な顔をして笑っているから。 何にも動じるコトなんてなさそうなくらい。 「ったく、凛ちゃんってば恥ずかしいコト言うなー。」
「ホントのコトだろーが。」
ふっと煙を吐いて言う。
「お互いがお互いに依存してる。特におまえ。おかしいくらいに、な。」
言って、灰皿にタバコを押し潰す。
「なんでそこまで執着すんのか、なんて聞いたって答えねーんだろ?」
それに対して、慧はただ静かに笑うだけだった。
高慢で、それでいて少しだけ悲しそうな笑み。
どこか、紋と同じような微笑みだった。
「−どしたん?」
立ち上がった俺を見て、いつもの通りの顔で慧が聞いてくる。
「…桜、見てくる。」
「あ、行ってらっしゃ〜い。」
笑って手を振る慧に背を向けて歩き出した。
パタン、とドアが閉まったのを見て、タバコに火を点ける。
深く吸い込んでから、ゆっくりと煙を吐き出す。
「−…自分だって同じじゃねーかよ。」
小さく、誰にともなく呟いた。 最近、慧と凛の話が多いなぁと思うのはあたしだけか(苦笑) いいんだ。この2人好きなんだ(笑)
しかしこの2人書いてると、微妙に朱と桜の話になるのよね(ミステリー)
なんかもう、すっかり仲良しさんなお二人(笑)
短いのを書きたいと思ったんだけどね。微妙に短くならなかった。
まぁいつもより数段短いからいいコトにしとく(笑)
これで書きたかったのは、慧は朱にだったらいつでも殺されるってコト。
それだけだったんですがねぇ…人生って不思議(は?)
あと、「聞いたって答えないんだろ?」って前もどっかで書いたような気がするけれども…。
どれだっけか…?(ダメ作者)
ちなみに題名の「グラス」はマリファナのコトです(さらっと言うなよ
なんか依存とか中毒とかなイメージでね。 |