君 ヲ 想 ウ
いつだっ
て何でも見透かしているような。
そんな余裕な態度が苦手だった。 どっちかって言うと、嫌いだった。 「――ダメだよー、女の子にはもっと優しくしないとー。」 笑いながら、当たり前のことのように吐かれる。 言いたいことはわかるけど、なんかムカつくんだ。 「・・・そもそも俺はそんな優しくねぇし。」 言いながら、少し温くなったコーヒーを流し込む。 「そんなことないよ。黄は優しいでしょ。」 これだ。 この、余裕たっぷりな笑顔が苦手なんだ。 「俺は篠みたく優しい人間じゃねぇんだよ。」 「僕は優しくないよー。優しいフリしてるだけ。」 言いながら、篠も手に持ったカップを口に運ぶ。 少し甘い、紅茶の匂い。 「おまえ哉に優しいじゃん、特に。」 「それはそうでしょー。好きな子には優しいもんだよ。」 こーゆうとこも苦手だ。 臆面もなく好きとか言えちゃうところ。 聞いてるこっちが気恥ずかしくなる。 「黄だって、凪には優しいでしょー?」 「優しかったらこうやって怒らせてケンカになんかなってねーよ。」 「でも優しくなかったら、そうやって反省してどうやって仲直りしようかなんか考えないでしょ。」 クスクスと、篠が笑う。 なんでこいつは、こんなに余裕があるんだろう。 どうして俺は、こんなに余裕がないんだろう。 「どうやったらさ、おまえみたく余裕出んの?」 「えー?全然余裕なんかないよ、僕。」 少し困ったような顔をして笑うから。 なんだかこっちが悪いことを言ったような気分になってしまった。 「哉ちゃんに対しては特にねー。凪は言いたいことすぐ言うだろうけど、哉ちゃんは溜め込んじゃうからさ。」 「あー、確かに。哉は言いたくても言えなくて落ちるタイプだな。」 「そうそう、だからけっこう困ったりもするんだよー。」 そう言いながらも、楽しそうに笑うから。 子どもをあやすような感覚なんだろうかとぼんやり思った。 「んでさ、結局何が原因でケンカしたの?」 「・・・なんか、俺がちゃんと好きかどうかわかんないんだと。」 ため息混じりに、なぜか自然と小さな声になって呟いた。 「あー・・・、黄って全然言わなそうだもんねー。」 ケラケラと、至極面白そうに笑うから。 言わなきゃよかったと、けっこう本気で思った。 「言葉って、そんな大切か?態度で十分示してると思うんだけど。」 「態度だけじゃねー、女の子は足りないんだよー。」 そんなもんかねー、と呟いてタバコに火を点けた。 「また僕の話になっちゃって申し訳ないけど、僕はいくら好きって言っても不安になるみたいだよ。」 「哉ってそんなネガティブだっけ。」 「なんだろうねー。尚みたいなのからしたら、好きとかそーゆう言葉すら嘘でも簡単に言えちゃうらしいからさー。」 「あいつの話はまぁ、置いとこう。」 確かに、と笑って篠がタバコに火を点ける。 少し甘いような、独特の匂い。 「時々ねー、自信なくすよ。僕ってそんなに信用ないのかなーって。」 「なんつーか・・・哉には悪ィけど、めんどくさくなんねぇの?」 自分でも酷いことを言ってるなーとは思った。 人の彼女をめんどくさい呼ばわりなんて、失礼極まりない。 「んー、それは思わないかなー。」 少し考えながら、篠が呟く。 「言葉が欲しいならいくらだって言うし。それで哉ちゃんが安心するならね。」 「でもいくら言っても不安がるんだろ?」 「うん。だからいっつも言ってるよ。」 正直、すごいと思った。 たぶん俺にはできないことだから。 「おまえってさ、哉のことすげー好きなのな。」 「うん、好きだよー。すごく大事な子だからね。」 なんでこいつは恥ずかしげもなくこんなことが言えるんだか。 ため息を一つついて、タバコを灰皿に押し付けた。 「だってそんなことでケンカしたりとか、別れちゃったりとか、バカみたいじゃん。」 「そんなことでケンカになってる人間の前で言うか。」 「あはは、ごめんごめん。」 楽しそうに篠が笑うから、また一つため息をついた。 「だってお互い好きだから一緒にいるわけでしょ?」 「まぁー・・・、そうだな。」 「だったらお互い素直に気持ちを伝えてればそれでいいんじゃないかなって思うけどね、僕は。」 「・・・それができない人はどうしたらいいですか、せんせー。」 「んー、がんばれー。」 ふざけた言葉に、お互いクスクスと笑う。 篠の空気は、柔らかい。 だからきっと、居心地が良いんだろうなと思った。 自分にはないモノだから、きっと少し苦手に思うんだろうな。 本当はきっと、羨ましいだけなんだ。 「んじゃ、不器用は不器用なりに頑張りますよっと。」 言いながら、柔らかな椅子から腰を上げる。 「早く仲直りしてね〜。」 いつものように、篠がニコニコと笑う。 「黄とケンカしてると凪って元気ないからさー、見ててかわいそうになっちゃう。」 困ったような顔をして篠が笑うから。 なんて言えばいいかわからなくて頭を掻いた。 「黄くんは愛されちゃってますからね〜。」 「・・・今度からおまえに相談すんのやめるわ。」 意地悪そうな顔にため息をついて呟く。 「あとで凪に黄がアタフタしてたって言っとこう〜。」 「いやあの、マジで勘弁してくだサイ。」 至極楽しそうに笑うから、ホントになんでこいつに相談したのか後悔した。 篠といると、ペースが崩される。 無関心を装っていられなくなる。 平静を装っていても、全部見透かされている。 そーゆうトコ、紋に似てて苦手だ。 「カッコつけてないで、さっさと仲直りしちゃいなよ?」 たった2つ年上なだけなのに。 こーゆうときに大人の余裕な顔して笑うのが嫌いだ。 自分がまだまだガキだって言われてるような気分になる。 「ハイハイ。んじゃな。」 バイバ〜イと手を振る篠に軽く手を振って、ドアを閉めた。 しばらくドアに背中を預けて、ぼんやりと空を眺めてた。 ゆっくりとした雲の流れが、視える世界を変えていく。 「・・・・・・あ〜、行くか・・・。」 たっぷりと考えたあと、重い足を動かした。 きっと俺はまだまだガキだから、上手くなんてできないんだろうけど。 今のままじゃいつまで経ってもガキだから。 少しでも、前に進みたくなった。 あれ、なにやら黄のキャラが定まってないみたいですネ(おいおい なぜかこの二人で恋愛話ってオイ、って感じですネ。 メンバーでカップル同士なので、前から書きたかったんだけど。 何が書きたかったのかよくわからない話になりました(ダメじゃん 篠と哉がただのバカップルですね(笑)いいんだ、あそこはバカップルだから!(ぇ 黄はツンデレなんだい!(どうでもいいわ 話を進めてると暗い話ばかりになるからちょっと方向性の違うモノもね、たまにはいいかと。 小説って、どう書いたらいいんですかね・・・(まだ言ってる (2010/1/30)
|