forget me not


「−…ねぇ、昂。僕が死んでも、僕のコト覚えておいてね。」


いつもと同じように笑って、紋さんが言う。


それは、冗談ではなく、ただ言っただけの言葉。
その言葉に、返答に詰まる。


 

「…どうしたんですか、いきなり。」
笑ってそれだけを言うと、紋さんはクスクスと笑う。

「だってさ、いつ死ぬかわからないじゃない?」
「まぁ、それは、そうですね。」
「それでさ、死んじゃったらみんな忘れちゃうでしょ?それが嫌だなーって。」
子どものように笑って、紋さんが言う。



「−…忘れませんよ、私は。」
「だよね。昂は、忘れないでいてくれるんだろうね。ありがと。」
言って、紋さんが優しく笑う。

 


「−…では、私が死んだら忘れてくださいね。」

「え、なんで?」
不思議そうな顔をして紋さんが聞く。
 
 

「−あなたの邪魔には、なりたくないですから。」

笑って言うと、紋さんがゆっくりと驚いた顔から笑みへと表情を変える。


「…変わらないねー、昂は。」
「性分ですから。」
クスクスと笑う紋さんに、同じように笑いかける。
 


 
それは、嘘でも冗談でもなく
ただ言っただけの、本気の言葉

ただ、それだけ

 

 
たまに弱音吐くような紋が書きたかったわけですよ。
きっと昂の前でしか言わないから。紋だってたまに弱いのです。
 
題名の「forget me not」の意味は、勿忘草。勿忘草好きですvv(どうでもいい
すごく純粋っていうイメージを持ってます、勝手に(笑)
 
(2004/8/9)