あたたかいもの
 
 
 

―――っ何、コレ…。」

手首を掴んで、朱が問う。

 

あぁ、見つかってしまった



「白、なんでこんな…なんで…。」
弱々しくなっていく声。
今にも泣きだしそうに。


細い指に掴まれた、腕。
その、白い肌に浮かぶ、紅い痕。



「白、なんでだよ。なんで…。」

死にたいの?と、泣きそうな瞳で問う。

それに対して、少し困ったように微笑む。

肯定も、否定もしない、応え。




どうして…

また一つ、朱が呟いた。




ぽた


暖かいモノが、傷口に落ちた。

暖かい、優しいモノ。
優しすぎるモノ。


 

・・・泣かないで、朱。」

静かに、ゆっくりと呟く。
 



――僕のためになんか、泣いたりしないで。」
 


キレイなキレイなナミダ。
キレイなキレイなココロ。
キレイなキレイなキミ。

その全て、
僕にはふさわしくないから。



見つけて欲しくなかった
こんな、弱い僕を
見つけて欲しくなんてなかった



暖かい涙が傷口を濡らす。
じわりと赤が滲んで、流れた。
 
 

  
朱が白のキズアト見つけちゃったーみたいな話です。
きっと普段隠してると思うんだ。

白は、きっとけっこう繰り返しちゃってるっぽい。リスカってクセになるもんだし(ん?
当初朱を泣かせる気はなかったんだけど、どうしたあたし(笑)
朱はすごい優しいんだよ、うん(納得?

朱は、これが慧だときっと泣かないです。泣きそうにはなるけど。
なんていうか、上手く言えないけど、朱にとっては白は慧より近い存在なのです。
慧は、親友なんだけど、仕事に関してとかきっと雲の上な人的な感じがしで。
…ごめんなさい、結局何言いたいんだかわかりませんでした(笑)
 
 
(2004/9/13)