グ レ ア

 

 

何のために生きるのか
その理由なんて誰も知らない
 
 
 
 
「−…ねぇ、昴。」
 
唐突な呟きに、声のした方へ顔を向ける。
声の主は、ぼんやりと窓の外を眺めていた。
 
 
 
「−どうして、僕らは殺すんだと思う?」
 
 
唐突な問いに、少し考える。
 
窓の外は、月がやけに明るかった。
 
 
 
 
「…自分、が…生きるため、ですか…?」
ゆっくりと呟くと、そうだね、と静かな答えが返ってくる。
 
 
 
「−じゃあ、どうして生きてるんだと思う?」
「…それ、は…人それぞれだと思います。」
「そう、それじゃあ−」
 
 
それは、人の命を奪わなければいけない程の理由?
 
 
 
静かなその問いに、何も答えることができなかった。
答えようが、なかった。
 
 
 
「−…紋さんは、理由が欲しいのですか…?」
その問いに対して、紋さんが初めて窓の外からこちらに目を向けた。
 
 
 
「−…欲しく、ないよ。理由付けなんか、されたくない。」
 
ゆっくりと、けれどはっきりと、紋さんが呟く。
 
 
「…どうして、ですか…?」
「…なくなるのが、恐いから。」
小さく、静かに呟かれる。

 
 
「−…理由がなくなったら、意味がなくなるから。」
 

 
背中から当たっている月の光で表情はわからなかったけれど。
きっとまっすぐな哀しそうな瞳をしているのだろうと思った。
 
 
夜中なのに、眩しさを感じた。
 
 

 
 
生きている理由と、生きている意味。

どちらを求めて、どちらがあれば生きていけるのだろう。
 
 
 
 
「−…では、紋さんはどうして生きているんですか?」
 
静かに問うと、紋さんが小さく首を傾げる。
 
 
 
「…何だろなぁ…わかんないや。」
小さく呟いて、紋さんが小さく笑う。
 
 
 
「わかっている人なんて、そういないと思いますよ。」
小さく微笑んで、静かに呟く。
 
 
 
「…そだね。考えたってしょうがないもんね。やーめよっと。」
言って、紋さんが楽しそうに笑う。
 

 
 
「−…死んでいく意味だって、わからないよね。」
 
 
静かに呟かれた言葉に、それを発した紋さんを見る。
 
 
 
 
「−…ねぇ。昴はさ、僕が殺して欲しいって言ったら、殺してくれる?」
 
 
笑って吐かれた言葉に、思わず言葉に詰まる。
綺麗な笑顔から、目を逸らしたくなった。
 
 
 
「−なんてね。冗談冗談。」
言って、紋さんが笑う。
 
 
 
「−…昴のこと、殺したくないし。」
 
当たり前のことのように言って、紋さんが再び窓の外を見る。
その言葉に、軽く苦笑する。
 
 
冗談とも本気ともとれる言葉。
わかっていて吐かれるそんな言葉には慣れたつもりでいた。
 
その時に紋さんが求めているのは、信頼と安心。
とても曖昧な、確かなもの。
 
 

 
「子どものような人だ」
 
口には出さずに、思う。
 
 
何もかもわかっているのに、不安定で。
いつだって何かに怯えている。
確かなものが何なのかもわからずに、いつも何かを求めている。

 
 
 
 
「−…紋さん。」

 
静かに名前を呼ぶと、紋さんが静かに振り返る。
 
 
 
「−…重い、ですか?」
 
何が、とは口に出さない。
言わなくても通じるから。
 
 
 
「…バカだなぁ、昴は。」
 
言って、紋さんがクスクスと笑う。
 
 

 
「−…嬉しいよ。」
 
 
子どものような顔で紋さんが笑う。
その嬉しそうな笑みに、思わず自分も笑みを零す。

 
 
 
理由とか、意味とか そんな大層なことではなくて
ただ隣にいたいと、願うだけ
 
ただ、それだけのこと

 
 
 
3000hit★コウちゃんに捧げモノです♪
紋昂は書きやすくてどうしようでした(笑)いつも似たような内容でごめん(笑)
とりあえずどっちもどっちで依存してるのよ。え、共依存大好きだねあたし(笑)
紋が「昂のこと殺したくない」って言ってるのは、例えば昂が紋を殺したなら、昂は自分も死ぬから(笑)
 
題名の「グレア」っていうのは、眩しく感じるコト。だったと思う(オイ
まぁ細かいコトは気にしちゃいけない(笑)
 
毎度のコトながら、誤字脱字あったら教えてやってくれぃ★
ではでは、次の特殊能力が発揮される時を待ってるわ♪(笑)
 
(2004/12/10)