守りたいもの
「−…あれ、凛?」
とてもよく晴れた青空の下、いつもの帰り道。
タバコの自販機のところで、見知った姿を見つけて声をかける。
「…おまえなんでこんなとこいんだ…?」
その声に振り返り、凛が言う。
「なんでって学校帰り。ここ通り道だし。」
少し首を傾げて笑って言う。
「−
「すーげカッコイイじゃんー。背ェ高ぇー。慧ってホーント顔広いよなー。」
そう言って、あっという間に一緒に帰ってたヤツらに囲まれる。
「−え、ってゆうかー…凛、先輩?」
伺うように発せられた言葉に、凛がその声の主を見る。
「…
「…加藤って、あのちっこかったヤツ?」
「それは先輩が大きかったんですよー。まぁ確かに俺も小さかったですけど…。」
途端に、周りに笑い声がわき起こる。
「え、てか加藤バスケ部ってことは、凛バスケやってたの!?」
「なんだよ。んな意外かよ。」
「凛先輩すげーうまいんだぜー。部長だったし。」
「え、すっげー!」
「言うなよ、アホ。」
言って、凛が軽く加藤を小突く。
「おまえ、まだバスケやってんのか?」
「はい!あ、今度試合あるんですよ。よかったら見に来て下さい!」
「気ィ向いたらな。頑張れよ。」
そう言って、凛が柔らかく微笑む。
「(うっわ、すーげー珍しいもん見たー)」
「神楽、おまえこの後どうする?」
「え、あー…俺今日パス。凛と帰るわ。」
「じゃあ明日おまえおごりな。」
「マジかよー。」
クスクスと笑いながら言う。
「じゃーなー。」
「おー、また明日なー。」
言って、数人の集団に手を振る。
「−ごめんなー。人見知りって言葉を知らないヤツらでさ。」
「別にいいけどよ。どっか行くんじゃなかったのか?」
「あぁ、別にいっつもヒマだからブラブラしてるだけ。あ、ちなみに加藤は部活休みで付き合ってるだけな。」
「ヒマしてんなー、高校生。」
「まぁなー。今のご時世、子供が金持ってっから。」
立派に仕事もしてるしー?って言って軽く笑う。
「あ、てか凛。俺にもタバコ買ってv」
「はぁ?金あんだから自分で変えよ。」
「だってホラ。俺ってば今制服じゃん?思いっきり高校生がタバコ買ってちゃマズイっしょ☆」
言って、ニッコリと笑うと、凛がため息を一つついた。
「何がいいんだよ。」
「んっとねー、ピース希望ー。」
ピッと聞き慣れた電子音がして、凛から見慣れた箱を受け取る。
「サンキュー。」
「ったく、んな年から吸ってから身体に悪いんじゃねーの?」
「全っ然説得力ないですよー、ヘビースモーカーさん?」
横でタバコを銜えている凛に向かって、クスクスと笑いかける。
「なんつーか、凛の通り名ってそのまんまだよなー。おもしれー。」
「悪かったな。おまえもなかなか面白い名前もらってんじゃねーかよ。」
「え、『バグチャイルド』がー?なんで?」
「もらったときガキだったからよかったけど、あと数年したらチャイルドでも何でもねーぞ?」
「うっわ、ホントだ。最悪ー。」
隣で凛がクスクスと笑う。
「あー、高校卒業しちゃったらチャイルドじゃねーなぁ。」
「…その制服、
「そーだよ。一応いい子ちゃんな学校ー。どうかした?」
「いや、懐かしいな、って思ってよ。」
「ふーん。…え、なんで?」
歩きながら、くるりと凛の方を向いて言う。
「俺、蒼苓通ってたって言ってないっけか?」
「え、うっそ!マジ!?初耳ー。」
「言ったような気してたけどな。」
ふーっと煙を吐き出して凛が言う。
「だあってー、凛ちゃん話してくれるようになったの最近だしー、慧クン何にも知らないのぉー。」
「…気色悪いからやめろ…。」
「悪ィ悪ィ。でもホントに。」
笑いながら言って、凛に向き直る。
「凛が話してくれるよーになってさ、俺ホント嬉しーんだよね。」
ニッ、と笑って言ったら、アホか、って凛に頭を小突かれた。
「ひっでー。あ、でも同じ学校だったってのは驚いた。なんでやめたん?」
「元々、行く気もなかったし、ちょうど紋が独立したときと重なったから忙しかったしな。」
「あ、紋が高校卒業したときに独立したんだもんな。じゃあ凛が1年とき?そりゃ会わねぇなぁー。」
「やめてなくても話はしてなかっただろうけどな。」
「言えてる。」
言って、2人でクスクスと笑う。
「−俺、てっきり桜来たからだと思ってた。違う?」
「んー…まぁ理由の一つではあるな。」
「学校行ってる間、1人残すのが心配で?」
「って言うよりは、1人にしとくとどっか消えそうで。」
「あ、ありうる。ふらふら〜ってな。」
言ってクスクスと笑う。
「アイツ、他人に物事伝えらんねーって言うか伝えようとしねーからさ。」
「だなー。まず桜の声聞いたコトねーし。紋ですらないんじゃねー?」
「あー…ないかもな。」
凛が、少し考えながら言う。
「一緒に通おうとは思わなかったん?」
「アイツが通えると思うか?」
「…思わねー…。」
「だろ?」
軽く笑って凛が言う。
「おまえは?」
「俺ー?んーそうだなー…。」
言って、少し空を見上げて考える。
「そりゃ朱と一緒に学校とか行ってたら楽しいだろうなー。でもさ、髪とかあんま気にしなくなったけどさ。」
「騒ぐバカはどこにでもいるからな。」
「そうそう。俺も昔はちょい騒がれたしさー。」
紫がかった瞳を指さして、軽く笑う。
「おまえは片っ端から片づけていったろ。」
「失礼だなー。人徳だ人徳ー。」
「似合わねー言葉使うな。」
「ひでー。それにー、タダ働きはいたしませーん。」
そう言ったら、そーゆう問題じゃねーよ、って言って凛が笑う。
「それにさ、朱、中学も行ってねーから、学校とか今さらじゃん?」
「行ってねーの?」
少し驚いたように凛が言う。
「そ。登校拒否とかじゃなくて、マジ入学もしてねーの。」
「義務教育なのにか?」
「行けっては言われてたらしいけどな。負担かけたくないってバイトばっかしてたって。」
「アイツ、施設育ちだっけか?偉いな。」
「偉いよなー。俺なんか中学の頃好き勝手やってたぜー?」
笑って言うと、今もだろ、って凛が呆れたように言う。
「あれ?そう言えばさ、桜はどうなん?」
「あー…行ってなさそうだな…。」
「中学はおろか、小学校すら行ってなさそうだよな…。」
確かに、と凛も無言で肯定する。
「いつからあーなったか俺も知らねーし。ずっと子供の頃からなのか、中学とか行ってからなのか。」
「凛が知らなきゃ誰も知らねーなぁ。」
「たぶんアイツ自身もわかってねーだろ。」
「あー、言えてる。」
言って、クスクスと笑う。
「てか俺らって似てねー?」
「はぁ?どこが。」
「そーんなあからさまに嫌そうな顔すんなよ。なんとなーく思っただけー。」
「おまえと一緒にすんなよ。」
「はいはーい、悪うござんしたー。」
クスクスと笑って、タバコを1本とりだす。
「学生が吸ってたらマズイんじゃねーの?」
「気にしない気にしない♪」
「…そーゆうヤツだよな、おまえは…。」
呆れ顔の凛からライターを借りて、タバコに火を点ける。
「−…慧。俺らが似てるって言ったの、アイツら守りたいってことでか?」
凛の問いに、俺はニッコリと微笑む。
「わかってくれるから凛ちゃん好きよv」
「気色悪いからやめろっての。」
よく晴れた青空の下。
自分を必要としてくれて、傍にいてくれる。笑い会える友達、仲間。
その一つ一つがとても大切で、とても愛しいもの。
その全て、守っていけたらいいと思う。
1111hit 紅杞さんのリクで慧と凛の小説です♪
なんかいつもに増して慧のテンションがおかしいです(笑)
この二人似てるのですよ。なんていうか、どことなく。性格はまるっきり違いますがね(笑)
1000hitの話に引き続き、本名と通り名公開。
慧は「神楽 慧」通り名は「バグチャイルド」 凛は「霧島 凛」通り名は「ヘビースモーカー」
由来とかなんかはそのうち明かすと思われ…(曖昧)
なんかやっててどこで終わっていいかわかんなくなってしまいまして。
中途半端&謎なまま終わってしまいました(笑)
こんなんでよければもらってやってください〜♪
誤字脱字あったらごめんなさい(汗々) |